ペトラキネシス
 
「そして…
何も知らない教授が機械のスイッチを入れた時、私の思惑通り事態は進み始めた。
三姉妹は微弱だった能力を完全に引き出し、究極の生体兵器となった。
我が軍が、この国に君臨する準備が整ったのだ」

コイツ、完全に頭がイカレてる。初めからクーデターを起こすつもりだったのか。

「私は柿崎教授一家を拘束し、外部に情報が漏洩しないように幽閉した。
だが、あの地殻変動が起こり…
私の計画は反古にされた」

何が反古だ。
自業自得じゃないか。

「その後、軍は解体されて私と数名の部下は解雇された。地殻変動の際に逃げ出した柿崎一家は行方不明となり、我々の計画は完全に白紙に戻されたのだ。
そこで部下を警察内部に潜伏させ、ミュータント事件に関する動きを監視させたのだ。
あの姉妹が現れるまでな」

「岡崎さんは…どこだ?」

「ん?
あの男か。奴なら監禁している。ミュータントで無いなら同志となってくれるやも知れんからな」

「…もう一つだけ教えてくれ。ここは何処だ?」

将軍は俺の質問に、ニヤリと笑って答えた。

「灯台元暗しという言葉を知っているか?
ここは警察署の地下室。誰も使用していないし、誰も来ない。助けを期待しても無駄だ」

それを聞いて、今度は俺がニヤリと笑った。

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