魔女の瞳Ⅴ
だというのに。

「うぐ!」

突然回転しながら飛来した金属の塊…車のドアが、修内太と手を繋ぐ私の左手に直撃!

その拍子に、私は修内太の手を放してしまう!

「修内太!」

声を上げる私。

修内太の落下した先は、高速道路を走行中のトラックの幌の上だった。

そしてその幌には。

「逃がさないぜ、デッドゲイト」

このトラックの幌に飛び乗って私達を追跡してきたであろう、武羅人の姿があった。

10トントラックに撥ねられた癖に、もう全身の傷が回復してしまっている。

私が言う事じゃないけど、とんでもない化け物だった。

「折角渡蘭市からこんな御影市くんだりまで来て、やっと見つけた喧嘩相手なんだ…邪険にしないで遊んでくれよ…!」

< 39 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop