勝手にハニーキス



そして、静奈のいないまま、一日は過ぎていく。



「なぁ……拓斗。このままでいい訳?」



頬杖をつきながら窓から外を眺める拓斗へと声をかける歩。



「何がだよ」



呼ばれた本人は不機嫌そうに口元を歪めたまま、無意識にふっと溜め息をつく。



「俺さ、変な噂聞いちゃったんだよね」



「噂?」



「そ、最近静奈ちゃんを見に来てる先輩の噂」



「だから?」



「……素直じゃないなぁ。拓斗がそんなんじゃ、毒牙にかかるのも時間の問題か」



わざと大きく両手を広げ、さもがっかりした風にリアクションをしてみせると歩が背を向けた。



その瞬間



「……ちょ、ちょっと待った!!」



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