勝手にハニーキス
追跡開始



意を決して、久しぶりに拓斗が静奈の家を訪ねた時には既に夕方。



「拓斗君?久しぶりねー」



チャイムの音に出てきたのは静奈に良く似たお母さんで、二人が別れてからはここに来る事も無くなっていたから驚かれるのも当然かもしれない。



「ご無沙汰……してます」



「静奈よね、ちょっと待っててね」



元彼……というより静奈の母にはクラスメイトの位置づけなのか、あっさりと奥へ引っ込み



代わりにピンク色の部屋着を着た静奈がゆっくりと降りてくる。



「拓斗??」



「急に……悪い」



芳香剤の柔らかな香りが立ちこめる玄関で向き合うと、拓斗は必死に言葉を探す……も見つからず。



だから思わず出てしまったセリフ。



「アイツだけは……」



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