わがままペット?〜あたしの飼い方。



あたしの名前を呼ぶこの声に、聞き覚えなんて欠片もない。




振り替えると、180センチはある身長に、瞳がくりくりした小顔の男が立っていた。




「……。」




怪しい。


周りにはあたしとその男が2人だけ。



怪しい!



でも…あたしの名前知ってる。




誰?




睨みをきかせてその男を見上げると、男は首をかしげて顎に手を当てた。



「あれ?ミアチャンやんなぁ?俺の事覚えてない?」





くりくりの瞳。



長身。



おだやかな関西弁。



「え〜…と…?」




さて。地元じゃないし…大学の人?…て年でもない。




でもこの瞳が…印象に…。


「あ!!」




「思い出したか?」



男があたしの顔を覗き込んだ。

めちゃくちゃカッコイイ!


ドキドキしながらあたしは答えた。




「セイチャン!?」



「当たり。お前忘れるってどうゆう事やねん。」



頭をコツンと殴られた。




「だって…前は金髪坊主でおサルサンみたいだったんだもん!久しぶり!」



「サルて…。まぁ久しぶりやんな。元気やったか?」





セイチャンこと、片山清次郎。

渋い名前だったからよく覚えてる。







< 2 / 48 >

この作品をシェア

pagetop