わがままペット?〜あたしの飼い方。



さっき会ったばっかなのに、セイチャンに会いたくなった。






会いたい。





あたしは、お風呂から上がるなり髪も乾かさないで家を出た。








手に持ってるのは、今日来ていた上着と充電しておいた携帯。





携帯の電源を入れるとすぐに上着からレシートを出して裏の番号に電話をかける。





5回。

5回コールが鳴っても出ないなら諦める。



そう決めて発信ボタンを押したのに…





セイチャンは2回目のコールですぐに出た。



「誰〜?」



おだやかな関西弁があたしを落ち着かせる。



「ミア〜。」




「おう。ミアチャンかぁ。どないした?」



「ん〜…ちょっとね。あたしの番号、登録してね。」



家を飛び出したはいいけど、図々しくセイチャンの家に入れてとは言えない。




゙ミアチャン゙に呼び方が戻ってるのが気になるけど、今はそんな事よりもどうにかしてこの通話を切りたくない。




声を聞いていたい。




「…またちょっとした事情かい。今外なん?」



「う〜…ん、外。」



なんとか話題を………あたしは普段使わない頭をフル回転させる。




「ミアチャン一人?」




「う〜…ん、一人…。」



フル回転中。




「そんなら、危ないから取り敢えずウチ来いやぁ。」



「う〜…ん、行く〜。」





回転停止。




「え!!今から?行っていいの?!」



「え…別にかまへんよ。どの辺おる?」




あたしは適当に歩いた道を振り返って辺りを見回す。



「駅のそばのラーメン屋さんの前…かな。」



「了解。近いな。そこおれや?」




セイチャンは一方的に電話を切った。



え?



え?




セイチャンに会えるの?



何てゆう急展開!






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