嫌いになるまで傍にいて



「ハァ……ハァ………」


一気に階段を駆け降りたからか、倒れそうだった。



あたしは隠れるように座り込む。






やだ…………


なんで気付いたの……?



気付きたくなかった。





こんな気持ち。






「ふ…………っ…
うぅ〜………っ」



ああ…


こんな涙もあるんだ………






どうして湯川だったのか



どうして湯川じゃなきゃ駄目だったのか……





馬鹿だね……



本当にいまさらだよ。





だけど


気付いてしまった。



淋しいからとかヒマだからとか


そんな理由なんて無意味だ。



あたしは


湯川だから


一緒にいたかったんだ。


湯川だから


傍にいてほしかったんだ。









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