竜の国Ⅱ




「小さい頃からユウミの話

耳タコなぐらい聞かされて育ったんだ。

俺だけじゃなくて他の国のヤツらも

そうだと思うぜ。」



「あたしの話??」



あたしは頭にクエスチョンをうかべて

顔だけフィゼルのほうを振り返る。



「正確には“黒銀の者”に

まつわる話ってやつだな。」



「ああ。その話ね。

この世界ではおとぎ話みたいな

もんなんでしょ?」



「まぁそうとも言えるし

そうじゃないとも言えるかな。

実際にはいないって思っているのに

でも現れてほしいって思ってるっていうか・・

なんかうまく言えねぇけど。」







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