戦国遊戯
信長が、にぃっと笑う。

「ふふ、お前達は祝言を挙げるのだろう?しかも相手はそこの慶次だ。すでに手を出されておるのだろう?夜の営みは、問題ないか?と聞いておるのだ」

信長の言葉に、玲子は顔が真っ赤になる。幸い、化粧で顔は隠れてはいるものの、信長の質問の意味に、思わず口をパクパクとさせた。

「慶次よ、お主の花嫁は初心だな」

そんな玲子の反応を見て、けらけらと笑う信長に、慶次は玲子を抱き寄せ、キスをした。

「ここから先は、玲子の希望で祝言をあげた後、と言われてましてね。まだこれ以上はしておりませんよ」

にっと笑う慶次。呆然とする玲子。政宗は、黙って静かに後ろで控えていた。

「け、慶次様ったら!」

必死で声を搾り出したが、声は案の定、裏返った。これ以上は恥ずかしいやらびっくりしたやらで、絶対に何かポカをやらかしてしまう!そう思って、玲子は慶次の胸に顔をうずめ、ばしばしと慶次を叩いた。


あぁ、もう!なんなのよ、一体!もう無理!
恥ずかしくって、穴があったら入りたいよー!!


「申し訳ございませんが、玲子が少し恥ずかしがっておりますので、一旦ここは下がらせていただきます」

玲子の頭をぎゅっと抱きしめながら、慶次は頭を下げた。信長は楽しそうにそれを見て笑った。

「玲子よ、慶次の嫁になるのであれば、このくらい、平気にならねばならんぞ?」


意味がわかりません!


信長の言葉に、思わず慶次の顔を見上げた。すると、慶次は意地悪くにやっと笑った。玲子はばっと顔を隠した。

「では。祝言の日取りが決まりましたら、またお知らせいたします」

そう言って慶次は玲子をお姫様抱っこで抱き上げて、部屋を出て行った。政宗は無言で慶次の後をついて出た。
玲子は恥ずかしさで、顔を他の人たちに見られないように、慶次の方を向けて、手で覆い隠していた。
< 254 / 347 >

この作品をシェア

pagetop