∞君とラムネと∞
あたしはラムネが大好きだった。


取れないビー玉にいつも頭を捻らせる
彼はそんなあたしが一番好きだとよく言った。


だから、あたしはラムネをいつも欲しがった。
日頃絶対好きだと言わない彼に

好きと言わせる為、飲めない炭酸を涙目で飲み干した。


そして彼は、いつもあたしの機嫌を取るために
あたしがラムネを大好きだと勘違いして
あたしにラムネを買ってくれた。


「泣くほど好きなんやなぁ」



嬉しそうに、愛おしそうに
勘違いして微笑んだ。




だからあたしは
ラムネが大好きだった。
< 53 / 55 >

この作品をシェア

pagetop