ディーダラス2064

それからの一週間というものは
カオルにとってほとんどの記憶が無かった。

ただ地球を旅立つ支度が忙しかったこと
離れて暮らす実母に会いに行って宇宙に旅立つことまで告げずに別れたこと

そして金曜日の午前には
宇宙行きシャトルに乗り込んでいた。

カオルが体験する宇宙施設は目新しいものでもなかったが
それでもそれなりに充分興奮すへきものだった。

地球軌道上のステーションは大小さまざまだが
WSCはそれなりの設備を有していた

ただ遠心重力システムはカオルには不満の種だった。
それでも我慢した。

ステーションで自分以外の計画参加の16人のメンバーと初顔合わせをした
後二人のメンバーは火星軌道までのパイロットと

月面基地から出発する火星行きの宇宙探査船に最初から乗り込んでいるらしい軍のメンバーの5名が加わる

詳しい役割分担は火星行きの船に乗り込んでからのことになる
ただし月につくまで軍のメンバーと顔を合わせないで居られたのは幸いだった

ミディとのこともある
少し頭が冷めるまで軍の奴らとかかわらないほうが
精神衛生上いいはずだ。

しかしもう三日後には月に到着して
あわただしいままで火星に向け出発する…
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