-恐怖夜話-
「うひゃー、何それ。本当なの?」
香はテーブルの方に身を乗り出すと、気味悪そうに眉根を寄せた。
その顔には『半信半疑』と言う文字が張り付いている。
「見てみる?」
私が上目使いに、誘いの言葉を掛けると、香は微かに眉を寄せて言い淀んだ。
「う、う~ん。どうしようかな……」
「何、怖いの? 市川先生って、幽霊とか信じる人なんだ?」
「う~ん……」
興味はあるようなのに、煮え切らない態度の香に、私は少し揶揄(やゆ)するような言葉を投げ付けた。