-恐怖夜話-
3つある、個室のピンクのドアが、みんな内側に開いている。
それは、その個室のどれにも人が入っていないことを示していた。
「え……? なんで、確かに足音聞こえたよ……ね?」
思わず、口から漏れた声がうわずってしまう。
ゴクリ。
飲み込んだツバの音が妙に大きく聞こえた。
そう言えば。
女子トイレに入って来る足音は聞いたけど、個室のドアの閉まる音は聞いていないよ……ね?
勘違い?
でも。
あの足音は、絶対に空耳なんかじゃない。