-恐怖夜話-

カラン――。


カラン、カラン――。


音がする。


記憶の隅っこで、微かな微かな音がする。


あれは、何の音?


耳にこびりついている、不安を仰ぎ立てる、あの音。


一瞬にして全てを奪い去って行く、あの音は、何?


頬を叩く冷たい雨。


赤い世界。


次第に温もりを失っていく、彼の指先。

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