-恐怖夜話-
何、これ?
最初に、私が入っている個室のドアをノックしたのは、誰?
後ろを通り過ぎていったあの子は、どこにいるの?
嫌だ、
嫌だ、
嫌だ!
首を緩慢な動きで左右に振りながら、私はジリジリと後ずさった。
一刻もこの場所から離れたいのに、体が思うように動かない。
誰か、助けてっ!!
心の中で、声にならない悲鳴を上げたその時、
「どうしたの、リエ? 大丈夫?」
突然背後から声を掛けられた私は、心臓を掴まれたように、ビクリと動きを止めた。