丘の上の公園で【完】

ひとしきり物思いにふけったあとで、少しだけ視線を左に移す。




丘の先端にベンチが2つ。



一つは俺で、もう一人は文学少女。





「…見られても、困るんだけど」



『ん、ごめん』





別に彼女とかそういうのではなく、ただこの公園で2人でいることが多くなったから話すようになっただけ。





「けっきょく今日も来てるじゃない」





そう言って、読んでる本に栞を挟み、パタンと閉じる女。
< 3 / 22 >

この作品をシェア

pagetop