恋*クル〜2nd〜
一夜の過ち――……
市橋くんが帰ったあと、あたしはしばらくベッドの上でぼんやりとしていた。
そんなあたしを我に返らせたのは、武人からの電話。
「……もしもし」
『あ、梓ちゃん? 起きたー?』
ビクビクしながら電話に出たあたしに、武人は明るい声で言う。
『もしかして二日酔い?』
「……う、うん」
『今日のフランス語、代返しといたから』
あ――……っ……。
武人の言葉に、心臓がドクンと不気味な音を立てる。