恋*クル〜2nd〜


信一くんと話をしていると、重たい気持ちが吹き飛ぶ。



「……アニキとこじれたんでしょ? しばらく距離を置くとか……」

「うん。しかたないよね。武人の気持ちも分かるし」

「……市橋さんには話しました? アニキにバレたこととか、距離を置くことになったとか……」



市橋くんに、わざわざ報告することなんてない。

話してしまったら、市橋くんは絶対に間に入ってくるし。

そうなれば、余計にこじれてしまいそうだ。



「市橋くんには話さないよ。あたしと武人、二人で乗り越えてみせるから」



自信たっぷりに言うくせに、あたしの心は落ち着かない。


もう一度、武人と笑って過ごせる日がやってくるのか。

あたしには自信がなかったんだ。


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