りんごあめみたいな

なんだかその言葉が優しくて。


やけに中島が大人っぽく感じたから、ちょっと悔しくて。


『トマトのくせに…っ…』


!!


塞がれたあたしの唇。


唇がやっと解放されると目の前には中島が意地悪な顔でこっちを見ていた。


「もう、トマトとか言わせねーよ?」


意地悪っぽく言う中島にまた胸がキュンとなる。


『…馬鹿』



一言そう言うと中島はまたいつもの優しい笑顔であたしを抱き締めた。




離さないでね…?




もう寂しくさせないで?


そんな心の声が伝わったのか。




「もう、離さねーからな」



力強く抱き締めてくれる中島の腕から伝わる熱、耳を澄ますと聞こえてくる中島の鼓動。













今だったら堂々と言える。






あたしは、中島泰斗の彼女です、と。





『中島、好きだよ』


















end*
< 50 / 51 >

この作品をシェア

pagetop