パーフェクトな彼氏彼女
「そうらしい。そんな親父見ちまったら、このままにしておいて違う人生を送った方がいいのかな…とか思っちまって…。幸い、生活に必要な知識は忘れてねぇみたいだし…。」
確かに…。
親父はまだ若い。
兄貴なんて、親父が20歳の時の子供だからな。
まだまだイケるはずだ…。
そうしたら、俺たちがいない方が良かったかもしれないな…。
「安西さん…あ、医者が言うには、いつ思い出してもおかしくないし、このまま一生思い出さなくてもおかしくないって。」
「どうして記憶を失ったんだ…?」
「分からない…。安西さんが親父と出会ったとき、親父は道端に倒れていて、その時にはすでに記憶喪失になっていたらしい…。きっと、精神的なものだろう…って。」
どうしてそんな…。
何があったんだろう…。