恋の破片(カケラ)~ラブ&ピース~
上手にお別れするもなく、ただ去って行かれるのは辛いから、誰にも心を開かないようにして気をつけていても、不意に穴に落ちるようにそれはやってくる。

特別だと言われて結衣は嬉しかった。

また次も話せると信じて眠った。

でも結果は、小さな頃置き去りにされて泣きながら車を追い駆けて行った頃の結衣が目覚めて泣いていた。

心と心が触れ合い交した口づけ。

淡い恋心の花は摘まれて踏まれた。

「馬鹿ね……。
嫌がる事をしてまた嫌われるだけとわかっているでしょう?」

自問自答しても行き場のない明日がぐるぐる回った。

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