さくらんぼ
「いいか、西島!アイスだからな!」

「わかってるよっ!」


でも、釘をさしていくのを忘れないのはさすがだ。

おんなじようにあっかんべーをして、わたしは桜木の背中を見つめた。


わたしたちは、顔を合わせればいつも憎まれ口ばかり。


でも、でもね。

わたしは、そんな桜木と一緒にいるのが楽しくて仕方なくて……。

いつも桜木に話しかけられるのを、話しかけるのを自然と楽しみにしている自分がいて、もちろん勝負に負けるのは悔しいけど、負けてもこうやって桜木と一緒にいる時間を持てることがすごく嬉しかった。

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