紅く染まる街  【短編小説】
生きる意味。
ネェ ネェ メヲアケテ? ヘンジヲシテ?


「…あははははははははは!可哀想。可哀想だね。
 でも、すぐに同じところへ逝かせてあげる…」

凛は包丁を啓汰の身体から抜いて、私の方へ…




ポタポタ…ッッ



「!!」

詩否は、包丁の刃の部分を手に掴んだ。

ポタポタと血が詩否の手を伝って堕ちてゆく。

そのまま凛の手から奪い、詩否は凛の喉を刺した。


グシャァッッッッ   ボタボタ…ボタッ…


「アンタさえ居なければ、こんなにはならなかった。…凛。ゴメンね。」


凛はそのまま倒れた。もうその時には、息をしていなかった。

「私も…」

詩否は刃を自分の方に向けた。

すると

「駄目だよ。まだ死んじゃ駄目。
 まだ終わってないんだよ。3年後、また…惨劇が始まる。
 その時まで、幸せに生きてね。」


ピーピーとリコーダーの音。小さく、微かに聞こえた声。

詩否は倒れた。



『現在、紅染町での謎の殺傷事件について後を追っています。
 生存者は1名。「黒鳴 詩否」氏です。
 まだ他にも生存者が居た場合は、紅染中学校の校庭にヘリが向かいますので、
 紅染中学校校庭でお待ちください。
 死亡者は、麓城院 亜璃守
        夢追  千李
        乃木  玖珠子
        春風  陸
        狂咲  凛
        轟   啓汰 他…』
ザー…

ブツッ



電気屋のテレビは、消えた。
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