NOEL(ノエル)

ψ5. 廻り逢う光

ψ5. 廻り逢う光




「これは・・・酷い」

サインの下にあった塊は、非常口に覆いかぶさるように重なり合いながら、なおもギリギリと蠢くアニマル・ミュータント達の群れだった。

「セシルをダセ・・・」

「セシルを・・・」

「セシル・・・」

彼らは皆、うわ言のようにセシルの名を呟く。

「お前ら、それじゃ開く扉も開かなくなるだろ!」

ユーロは叫ぶが、彼らの耳にはそんな言葉は届くはずもない。

「参ったな。
これじゃ、向こうへ抜ける隙間も無い・・・。」

「ユーロさん、他にステージの後ろへ繋がる通路は?」

アルベルトは焦った声でユーロの肩を掴んだ。

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