NOEL(ノエル)

「私は自分の研究をしたまでの事。
あなたの計画に賛同した訳ではないわ。」

「しかし、お前の創った研究サンプルは着実に私の計画を遂行してくれている。素晴らしいよ。」

「でもあなた、
アルベルトも、私とあなたの子供なのよ?」

「勿論そうだ。
アルベルトには将来、このVINOを背負っていってもらわなくてはならない。

彼は私の大切な跡継ぎだ。」

「それなら彼の事も・・・」

「NOELまでだ。」

ゼオはエレナの言葉を遮って続ける。

「全てはNOELまでなのだ。
それまでは、いかなる事も私の中から排除しなければならない。

お前の中からも・・・だ。エレナ。」

エレナは不安の色を浮かべてゼオを見る。

「あなたは、セシルで何をしようとしているの?」

「それは・・・NOELになれば分かる。」

ゼオはそう言ってカチリとモニターを消すと、エレナの耳元で囁いた。

「お前は、何も心配する事はない。」


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