fennel/mimosa

下校

「二人とも、遅かったじゃない」
 お兄ちゃんと校門に行くと、鬼田先生とお父さんとお母さんが話してた。

「鬼田君が蓮音の担任でよかったわ」
「なかなか面白い子ですね」
「自慢の娘だ。もちろん飛夜も自慢の息子だぞ」

 知り合い……?すごい親しげに話してる……。
 それにしても……鬼田先生が敬語だ!私の予想では敬語使わない人だと思ったのに。
 ……目上の人に敬語は当たり前か。

「……お兄ちゃん、お父さんとお母さんと先生知り合いなの?」
「母さんの姉の子どもらしい」

 意外な繋がり……。
 私の家は正月に親戚が集まるわけでもなく、従兄弟なんてあまり知らない。

「ふぅーん」
 ちょっとビックリだけど、スッゴい驚いたわけではないかな。
 別に従兄弟かな?って思ってたわけじゃなくて、近くに従兄弟がいてもおかしくないよね。

 お母さんのお姉ちゃん近くに住んでるし……会わなかったのがおかしいくらい。

 でも……鬼田先生って何歳なんだろ?二十八とか?
うーん……三十?若い気はするんだよね。

「飛夜が一年生の時に新任できたのよね」
 二年前に新任って……何歳?
 二十三で……大学卒業だとしたら……二十六、七?
< 38 / 96 >

この作品をシェア

pagetop