恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~

……とパーにした両手を胸の前に突き出して、手のひらだけを振るマンゴーママ。


「……って、なんで一子がいるんだよ? おっさん、テ前ェ、ハメやがったなっ。うまい酒が手に入ったとか言うから来てみてみりゃあ、テ前ェ、ウソつきやがったなっ」

気まぐれに……ねこの目のようにコロコロ性格が変わるミュウトが突然キレた。

「アーラ、“ウソはオンナのアクセサリーみたいなモンだ”って、サル顔の某アニメの大ドロボーが言ってたわよン♪」

「黙れっ。どこの世界に無精ヒゲはやしたオンナがいる、ってんだっ」

「失礼しちゃうわっ。こちとら、まだ準備中よっ。日が暮れて夜になったら、ちゃんとオンナになってあげるわよっ」

「もう、やめてよっ。ふたりとも、あたしのせいでケンカしないでっ」

ふたりのあいだに割って入るあたし。

「心配しないで♪ こんなの、アタシらにとっちゃ、あいさつみたいなもんだから♪」

「こ、これがあいさつぅ!?」


それぞれの国や世界ごとに、それぞれの言語でのあいさつがある。

だけど、コノ世界のあいさつには、あたしはまだ当分なじめそうにないと思った――――
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