恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
「当初の予定では、もちっと先にコクる予定だったけど、いつのまにかコクっちまったな」
「そ、そーですね」
「オレはキミのハートに惚れた。オレはわんこちゃんが好きなんだ」
さっき言われてから、もう何分か経ったはずなのに、思い出すだけでカラダの芯からザワめくような感覚に見舞われる。
「オレのキモチを分かってもらったところで、今度はオレが一子ちゃんに訊く」
「え…!?」
「一子ちゃん、オ、オレと……オレと付き合ってくれないか? 頼む。お願いします」
あたしに向かって手を合わせ、サッと頭を下げるセンパイ。
物心のついた頃から、あたしはヒトに何かを頼まれるとゼッタイ「イヤ」って言えないニンゲンだ。
だから頭で考えるより先にクチが勝手に動いて「ハイ」と返事をしていた……と思う、いつものあたしなら当然のように。