恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
それは“わぁ~、センパイってホントに背が高いんだァ”ってコト。
おんぶされて、センパイの肩越しに見る世界は今までとはまるで別世界だ。
普段、身長147センチからの世界しか見たことのなかったあたしにとって、すべてがまるで今までとは違って見えた。
それに廊下を歩いていると、今やマスコミでも騒がれている“ノッポ王子”こと井川センパイにおんぶをされて、彼の背中という空間を独占しているあたしのことを、女子たちみんながうらやましそうな顔して見ているのにも気がついた。
今までは身長が低いせいで、みんなに見下ろされてばかりだったけど、今は女子たちみんなが羨望のまなざしを向けられている。
こんな光景はじめてだ。
こんなにココロの晴れ晴れするような、キモチのいい光景は見たことがない。
あたしにとって、コレはいわゆるひとつの絶景ってヤツだった。
願わくば、このままいつまでも保健室に到着しないでいてほしい。
ずっとセンパイの背中にいたい。
……って、そーいえば、あたし、またセンパイと密着してる。