Heaven
~9.隠された過去~


…この恋のゴールが見えないまま、季節は春に変わった。
卒業式も無事終わり、
感動はしなかったが、初々しさはもうなくなるのだろうと思うと悲しくなる。
陸に写真を撮ろうと言われ、ツーショット写真を撮った。

この写真は、アルバムを開けば見ることが出来る。
写真は色褪せていなくて、陸の笑顔は写真の中で輝いている。


京子とは、あの下駄箱で起こったこと以来から、一度も喋ることはなかった。
元々仲良くはなかったし、ただのクラスメートだったからだ。

でも陸のことは未だに好きだろう。
そんなの直ぐ分かる。
京子の見つめる先には、必ず陸の姿があったから。


そして、春。
あたしは中学生となった。
別に中学にあまり期待なんて持っていなかった。楽しみなことなどなかったし…

なぜならば、小学校の時と同じメンバーだからだ。
あたしの通っていた中学は、小学校の持ち上がり。
だから生徒は変わらないのだ。


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