Heaven
~4.忘れられない人~


もっと早く気が付けばよかった、と何回思っただろう。


美羽が屋上を出てからすぐに、隠れていた太陽が顔を出した。

俺は手すりへと歩みより、空を見上げる。
空には誰がいるのだろう?と考えながら。



『…誰が、いるの?』


俺がこう呟くと、突然強い風が吹き、俺を包み込んだ。
俺の問い掛けに答えるかのように…
強い春風が、俺を包んだ…


今日は雲の流れが速い。この空を見て思ったこと。
ふとグラウンドへ視線を落とすと、校舎に向かって歩いてくる生徒たちの姿がたくさん見える。
そんな中、俺はある人に目を奪われた。

明るく、色が抜けた金髪の髪の毛。
太陽の反射で軟骨に開けているピアスがきらりと光っている。

あれはヒカルに間違いない。
そして後ろからここまで聞こえるくらい大きな声で『ヒカル』と呼ぶ一人の女の子。


ミルクティー色の髪の毛。


間違いなく…美加だ。


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