君を愛してる 〜だから死にたい〜
聡の友愛
 あれから聡は、あの日の事がなかったかの様に普通に接してくる。

 俺もそれに便乗する形で今までと変わらず接していた。

 だがそれが表面的なものでしかない事を俺も聡もわかっていた。

 起こってしまった事を無かった事になど誰も出来はしない。

 聡の彼女である聡子、いや――美里に聡には言わずに会っていた事。それは紛れも無く事実だ。

 お互い切り出すきっかけを無くし、ただただ流れに身をまかせる事しか出来ずに悪戯に時間は流れた。
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