秘密な時間
あれから
何十分もたったはず
なのに
あいつは
待合室のイスに座って
ずっと
こっちを見てる
相変わらず悲しそうな顔
でも
決して乱れない強い視線
その視線になぜか安心感を感じた
でも
いつまでたっても
あいつの隣から消えない1人の男
そいつの姿を見るたびに
苛々がつのる
それと同時に
こんな自分も嫌になる
あいつのいる場所が見れなくなる
見る度に、お前を独占したい…
深雪を独占したいっていう気持ちが込み上げてくる
この日
俺は、自分の気持ちにはっきり気づいた