シンデレラストーリー
「和君ごめんねぇ?詩織居なくて撮影出来なかったでしょぉ?」

そう言いながら岡田和也さんの腕に抱きつく詩織ちゃん。こんな感じでいつも男を落とすんだろうな。私には、できないや、

「別に?楓ちゃんが演技上手かったからもう撮影終わったよ。ね、楓ちゃん」

『え、あ、はい!』

やば、生で見る笑顔はキュンとくる。思わず見とれる。
なんてったってこの人、普段大人っぽい感じでも、笑うと太陽みたいな、ひまわりみたいな感じでとても可愛い。

「クックックッ面白いね楓ちゃん。」

「ちょっとぉ!詩織よりも演技上手い分けないでしょ?撮り直しよぉ!ねぇ?監督さん?」

この子、自分が演技上手いと思っているのだろう。まぁ、素人がやるよりもいいだろう。

「でも、もう時間ないし…このまま楓ちゃんのを放送するよ。」

『ちょっと待って下さい!!素人ですよ?!』

と言うと、監督さんは『だからだよ』と笑い飛ばした。そして、もっと衝撃的な言葉が…

「芸能人にしない?」

『はぁ?ちょっと待って!!岡田和也!!』



この人の言葉が…私の人生を変えた…

「俺、事務所に言って頼みますよ。楓ちゃんのこと」

「それ、いいかもな。じゃあ、今日は遅いから送っていってあげろ」

マネージャーさんっぽい人が岡田和也さんに言い、私は岡田和也さんの車で送ってもらうことになった。
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