明日への扉
「えーっ! 誰よぉ〜!」



今度は、みんなが千佳に注目する。





「えへへ… 柴田くんって言うんだけど。 野球部なの。 隣のクラスで、カッコイイんだぁー。 まだ話した事も、ないんだけど。」






………えっ?…………





ブラウスのボタンを閉める指が…



一瞬、止まる。





ちらっと千佳を見ると、頬をピンクにして、うつむいてる。






「えーっ、どんな人? 知らないよー!」



「私、知ってる! 柴田篤史くんでしょ? カッコイイよねー!」




部室が更に賑やかになる中、



私だけが、固まっていた。





「よし! みんなで応援しよう! 千佳の恋が実るように!」




みんながワーッと拍手して、千佳は「ありがとう」と照れ臭そうに頭を下げる。






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