明日への扉
すると私の横を通りすぎて、後ろにドカッと座った。




あ、そうか。1位の所に並んだんだ。




これくらいの事で、ドキドキしてどうするよ、希!




「順位の色ボールを、前から回して下さい。1つずつ取ったら、各チームの箱に入れて下さい。点数に加算されます。」



前の人からボールを2つ受け取り、1つを後ろへ渡す。



うつむいたまま差し出すと、篤史の指が触れた。



思わず顔を上げると、目が合った。




「…別人かと、思った。」



久しぶりに聞いた篤史の声は、中学時代より更に低くなってた。




「…えっ?」



私がポカンとしてる間に、アイツはフッと笑って、さっさと戻って行った。




何よ、別人って。




私も立ち上がり、自分のチームへボールを入れに行く。





「おーっ、一年! すげーぞ!!」



チームのみんなに拍手で迎えられ、団長が頭を撫でてくれた。




スポーツで誉められるなんて、生まれて初めてで。




泣きそうになるくらい、嬉しかった。










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