明日への扉
「舞ちゃん、お薬使うからね。すぐに楽になるから。」





ゼーゼー、ヒューヒューと大きく上下に肩を震わせ、必死に呼吸をする背中をさすった。




「うん… せんせ…」




私を見て弱々しく笑う、彼女の細くて白い腕に針を刺す。






舞ちゃんとは、6〜7年の付き合いになる。



私がこの病院で小児科医として働き始めた時の、最初の急患さんだった。



幼稚園の頃から、度々喘息発作を起こしてた彼女。



中学生になり、発作の頻度は減ってきたけど。



年に何回か、夜に発作を起こして、やってくる。







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