明日への扉
「はぁー……」




プールサイドで、何回ため息をついたか分からない。



水着も嫌なんだよね。


胸もペッタンコだし。





競技が進むにつれ、気持ちも身体も重くなる。




そのうち順番がきて、ノロリと立ち上がる。




みんなが『頑張れー』と言ってくれるけど、笑顔が引きつる。




スタート台では、足が震えてきた。




えーい、どうにでもなれ!




スタートの合図で飛び込み、必死に泳いだ。









途中で足を着くことなく、何とか泳ぎきった。



でもゴールして周りを見渡すと、誰もいない。




ひょっとして… みんな、とっくにゴールしてたの?



めちゃくちゃ遅かったんだ、私。




周りの人に呆れられてる気がして、急いでプールから出た。





「お疲れ!」



美穂や玲子が声をかけてくれるけど、笑顔になれない。





何でこんなに、運動オンチなんだろ。





情けないよ……。







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