明日への扉
「おい、篤史! お前、食いすぎだぞ!」



山下が怪我の手当てをしてもらいながら、柴田を睨む。



「サンキュー。お前のお陰で、うまいもんにありついた。」



なぜか私たちに混じって食べ続ける柴田は、ニヤリと笑い返す。






「私は、何にしようかなぁ〜」



「冷やさなくていいのに、してくれる?」



自分の番を考えてる玲子の肩を、ポンと叩く。




「その方が、私も助かるわ!」



保健の先生の言葉に、へへっ、とみんなで笑った。






「よし、俺らも行くか!」


「山下!」



立ち上がる山下の背中に、純ちゃんが声をかける。




「分かってる、誰にも言わねー。約束するよ。」



振り返った山下は、ニカッと笑って歩きだす。




その後ろを歩いてた柴田が、チラッと私を見た。



「うまかった。」



「う、うん…」




いきなり私を見るから



それしか言えなかったよ…





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