明日への扉
ギリギリセーフだったけど、髪の濡れた私達は、ちょっと目立ってた。




「お前ら、もう風呂入ったの? 早すぎねー?」



「いいじゃん、うるさいよ!」



からかう男子を、純ちゃんが一喝してくれる。




そして夕食後の出し物タイム。



私達の順番になり、ステージ袖で、10人くらいが待機した。



まず男子二人が出て行って、後から少しずつ出て行くはず…なんだけど。





「ねぇ、話の流れが変わってない?」



誰かが呟いた。



次の人が出て行くタイミングが分からないくらい、ステージの二人だけで盛り上がってる。




「もう、俺ら出なくていいんじゃね? あいつら二人で、ウケてるし。」



壁に寄りかかった篤史が、腕組みをして笑ってる。



確かに、二人で充分面白い。




「だね。二人に任せてOKでしょ。戻ろっか。」



純ちゃんの声にみんなが頷き、ステージに背を向けて歩きだす。








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