ベイスボール

ゼロからのスタート

｢何だ!?荒野か？ここは‥？｣


桐原は空き地の惨状を目の当たりにし、１人呆然としていた。


｢良いじゃないですか!!１から創りましょう!!｣

桐原は声に気付いて後ろを振り返ると若い女性が立っていた。


｢‥アンタ誰？｣


桐原は頭を掻きむしりながら尋ねた。


｢失礼しました!!私は清律学園、現代文新任教師の佐野千佳子です!!｣


とても威勢の良い女性である。


｢私、桐原さんに憧れて野球始めたんですよ!!高校まで野球部に所属してたんですよ!!｣


｢ああ‥そう‥。｣


桐原は女性の威勢の良さに焦った。


｢そうそう、今日から私が女子硬式野球部の顧問です!!まだまだ未熟者ですが、一生懸命!!桐原監督を補佐しますので宜しくお願いします!!｣


そう言い切り佐野は桐原に握手を求めた。


｢は、はぁ‥。ところでアンタ授業は？｣


桐原は佐野の握手に応えながら尋ねた。


｢いやぁぁ〜!!忘れてたぁ〜!!｣


佐野は猛ダッシュで校舎へ向かった。


(あれで教師かよ‥？)


桐原はため息を吐きながらタバコに火を着けた。