生徒会長のキッス♪

「それで?美桜ちゃん俺達に何か用?」



困っているあたしに陽さんが合いの手を差し出してくれた……気がする。

ってかそうだと思いたい。


やっぱり陽さんは優しいな……



でもこれという用事があるわけでもなくて逆に困ってしまった。




「ちょっと美桜こっち来い。」



「え!?」



急に神尾仁から腕を引っ張られた。




「陽、先に教室に戻っといて。俺美桜と約束してたの忘れてた。」



「はぁ!?あたしそんな約束してな…んぐっ…」



今度は強引に口を閉じられた。




「へー仁が美桜ちゃんとの約束忘れるなんて珍しいね。」




笑顔で言ってるけど……なんか陽さんが怖い。




「んーまぁたまたま。こういう時だってあるって。な?美桜。」




「っへ?あたし?」




驚いて神尾仁の方を見ると“空気読め”というような顔をしてる。



ここはとにかく…



「そういうことくらいありますよ。」




なんて明らかな棒読みで言ってしまった。




「ふーん……じゃあ仁、先に教室に行ってるからね。」



そう言って陽さんは行ってしまった。


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