【実話】星になったキミへ
「ね、美姫ちゃん。」




「ん?何??」




「美姫ちゃん、お店辞める覚悟あるかな??」




「どーゆーコト??」




「私、今日でお店揚がる。」



「………やっぱり。だよね。それしか方法ないよね。」



「うん。私が辞めたら、アイツ、また美姫ちゃんに、指名戻すと思うんだ。美姫ちゃんがそれでいいなら、別にいいけど。」



「イヤだよ!さくらちゃんが辞めるなら、私も辞める!」




美姫ちゃんは、私の意見に賛同してくれた。




「美姫ちゃんは、アイツに本名とか、何処に住んでるとか、言ったコトあるの??」



「まっさかー。ないよ。だって、最初からDRUGやって、ヤバそうって思ってたもん。」




「じゃぁ、ここ辞めたら何とかなるんじゃない??」



「ん。次はカタギの仕事すれば、大丈夫かも…。」




「何で、私売る前に店辞めようと思わなかったの??そっちの方が早かったと思うけど…。」




「さくらちゃんも、経験したから解ると思うけど…。アレしてたら、何も考えられなくならない??」




「……確かに。」




「多分、幸せな時なら気持ちよくキマルと思うんだ。でも、心に不安材料抱えてる時って、ダメね。悪い方へ、悪い方へと、引っ張られる。そして、恐怖感だけがいっぱいになって…。逃げても、捕まる。なら、アイツを、他の女の子に乗り換えさせればいいって…。そうとしか、思えなかったの。」




私は、もう何も言わなかった。




そう思ってしまう気持ち、解るし。




「さくらちゃん、巻き込んでしまって、ごめんなさい…。」




「んー。もう、いいよ。どうせ、後少しで辞めるつもりだったし。こんなコトしていいのかなーって、迷ってたし。辞めろってコトなんじゃない?」



ホントに、建に対して、罪の呵責に苛まれてたから、いい機会だったのかも…。



こうして、私達は、2人でソープを辞めた。
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