オレサマ狼×泣き虫羊
就寝時間を過ぎ、電気が消えたそのころ、
「只今から、『乙女の恋バナ★in203号室』を開催しますっ。イェーイ!!」
見回りの先生たちにバレないように、小さな声で咲子が言った。
今日のターゲットはどうやらあたしらしい。
絶対寝てやる…
「さっそくですが、愛ちゃん。神社でわどうでしたかっ」
左手をマイクに見立て、咲子が愛ちゃんの口もとへもってくる。
「えっ、フツウだよ(笑)」
「フツウ?嘘おっしゃい」
咲子の目が光ってきた。
「そーだよ愛。二人で帰って来たとき幸せオーラ出てたよ」
「…ふ、二人でいるだけで幸せだから出てたんじゃない?オーラ」
咲子と明日美ちゃんの寝ころびながらの気迫に焦りながらも、冷静に答える愛ちゃん。
まあ、二人でいるだけで幸せってのもラブラブ過ぎだけど(笑)。
「いや、違うね。…あ、おまいりってどんなだった?」
急にテンションが変わった咲子に驚いた様子の愛ちゃんだけど、楽しそうに答えてた。