【超短編】暗闇の果て
竜神
夕方からまた雨が降りだした



「姫様…」



「どうしたの?」



「私はあの方と婚姻されるべきだと思います」



「ひのと…」



「姫様は病気なだけで、私は姫様は誰よりもお美しいと思います。あの、四の姫なんかよりずっと…」



「ありがとう」



「きっと、あの方は噂の四の姫を見に来て、姫様に心を奪われてしまったんです」



「そうかしら…」



「姫様!聞いてくださいよ」



「ひのと…、私は目が見えないのよ。姿形が美しいと言われても比べようがないし…」



「そうですけど…」



「私はね、あの方がどんな姿でもお慕いしているのよ…
あの方もそうであればいいのにね」



「姫様………」



ひのとはそのまま黙ってしまった



ここ数年、竜神様のご機嫌が悪く不作が続いている…



今日も雨



おまえさま…





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