━好きになってはいけないヒト━

……なるほど、あたしを呼んだ理由はそれのこと。
壱樹とは一緒にいたけど、置いてきちゃったんだよね……

え…となんて返せば良いのかな？
もう正直に言っちゃおう…。


「――ん…と、一緒にいたよ？でも置いてきちゃった(笑)。
サボりたげにしてたし～」


「――は!？
ってかそこの２人!そんな距離離れてんのに堂々と喋ってんじゃねーよ、ったく……」


「――世莉、連れ戻してきて!!!!」


先生の話を無視して、お構い無しに話を続けるところは亜弥らしいけど。

でも先生の顔ひきつってるよ…


「……あのな、俺の話聞いて――……」


「……ヤだよ!なんであたし!？」


「だって居場所知ってるの世莉しかいないし」


「…あ～、そうだったね!それなら壱樹はこの階の空き教室にいるよ？
そうだ!みんなで迎えに行こうよ!」


「――世～ぇ莉～ぃっ!!!そういうことじゃないからっ」


亜弥の顔を見れば、怒ってるっていうか、呆れ顔……


「――ダメダメだ!
わかった…、俺が行く。氷川、お前も来い」


……氷川って隼人だよね？なんで隼人……？


「――は？なんすかそれ」


急に言われたんだもん隼人の反応は普通だよ。