-君に愛してると言いたい-
それに対してタケルの心のうちを読める者はいなかった。
彼の弱気な姿を見た者は一人もいなかったし、なにより彼の心は彼のもの以外の何物でもないのだから。
彼はつねに、周りの空気に合わせて自分を作ることができた。
真知子でさえも、タケルの行動の意図が読めないことがしばしばあった。
それでも、校舎裏で、二人でこっそり煙草を蒸すときはいつも、タケルの心に触れ合えたような気がするのだ。