蜜愛

シンは、寝ぼけているのか、

あたしの回した腕を振り払い、

ぴったりと隅の方に逃げてしまった。


彼の背中に、


人差し指で、


『もっと』


と、書いた。


――これが、セイタの背中だったら。

そう、思いながら。

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