蜜愛
正直俺は、子供が欲しいから

ただそのためだけに結婚した。


愛していたか?

そんなのはもう、わからなくなってる。


イチコと初めて会ったのは、あいつが働く化粧品屋で。

俺はそのころ、どうでもいい女に付き添って化粧品を買いに行っては、

次の女を探していた。

――美人の遺伝子。


そう、なんかそんなものが化粧品と一緒に手に入る気がして。

勝手なイメージで。

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