蜜愛
再婚したころには、すでに大人になりかけていた彼に、私と匡哉の過去の関係を明かすこと自体気恥ずかしく、

ーー蜜柑と大輔は、兄弟


それを説明するのに、血がどうとか、もういらないと思っていた。


どうせ滅多に帰ってこないし……

匡哉も、再婚してからとても良いパパにはなってくれたけど、

二人でコソコソ会っていた時のような緊張感や、男の匂いっていうのか


なんか、全てキレイに剥がれ落ちて、家族思いの優しいだけの人になった。


『蜜柑もいるのに、そんなセックスばかりする夫婦もね……』


たしかにそうなんだけど。

匡哉が照れて頭を掻くのはもっとも、なんだけど。



……なんだろう、この感じ。

嫌だな、嫌だな、


また私……


『寂しい』なんて感じているのかしら……


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